鳥せいで、「神聖」の原酒をいただき、ほろ酔い気分で出てきたところに、小洒落たギャラリーを発見。酒蔵に隣接しているため「神聖」山本本家の運営かと思いきや、独立ギャラリーとのこと。
今回は京都・伏見のギャラリー「酒の器 Toyoda」を紹介します。
ほぼほぼ手作りのギャラリー
2003年6月、神聖の酒蔵にへばりつくような形で誕生した「酒の器 Toyoda」は、その名の通り、お酒を美味しくいただくための器を扱うギャラリーです。
店主の豊田さんが山本本家のお偉いさんと同級生だったことから誕生しました。
予算の関係で、設備と珪藻土の塗装以外は全て家内制手工業で作ったのだそう。
もともと、インテリアデザイン会社で数多くの内装設計やインテリアコーディネートを手掛けていた豊田さんでしたが、設計から施工までを担当したのは初めての経験だったとか。
豊田さんの思いがいっぱい詰まったギャラリーには、酒好きにはたまらない器がずらりと並んでいます。たった今、ちょいと引っ掛けてきたばかりですが、またまた飲みたくなってきました。
陶芸家・長谷川文陽と弟子たちの器展
店内に入るやいなや真っ先に目に飛び込んできたのが、こちらのお猪口です。
ヤモリやらムササビやらオオサンショウウオなどが、とても可愛らしく描かれています。
非常に印象深い絵柄だったので、シゲシゲと見入っていると、背後から「どうぞお手にとってください」の声が。
振り返ると若い男子が立っていました。
「師匠のです」
男子の師匠、長谷川文陽氏は、なんと小ネタ隊と同い年。会ったことはもちろんありませんが、妙に親近感が湧いてきます。
文陽氏は、全国で唯一「窯業高校」の名を持つ愛知県立瀬戸窯業高校を卒業した後、有田で修行し、1984年に瀬戸市窯町で独立しました。
日本伝統工芸展はじめ多数の賞を受賞し、関東・東海を中心に全国各地で、男女問わず多くのファンを持つ陶芸家です。
いずれの作品も優しさにあふれ、しっぽりとした伏見のお酒が似合う酒器です。
店番をしていたのは、水谷悠二さん。文陽先生のもとで修行をし、2005年に独立して浜松に窯を作った、若干25歳の青年です。
若い陶芸家の今後に期待
で、水谷さんの作品がこちら↓
東海伝統工芸展入選の実力者ですが、さすがに師匠と比べたら見劣り感は歪めません。
これからに期待しましょう。
ぜひ、美味しいお酒をどんどん飲んで、お酒が美味しくなる器をじゃんじゃん作ってください。
残念ながら、長谷川文陽氏と、もとお弟子さん3人の作家を交えた「文陽窯 秋のうつわ」展は、9月29日(日)で終了ですが、水谷さんの作品展は11月16日〜24日まで、浜松市のサーラプラザ浜松で開催されます。お近くにお越しの折は、ぜひ応援してあげてください。
会期:2019年11月16日〜24日
場所:サーラプラザ浜松(浜松市東区西塚町200)
なお、「酒の器 Toyoda」では、常時、個展・企画展を開催しています。
伏見の酒蔵巡りのついでにぜひ寄ってみてください。
とても居心地のいい空間です。
- 10月2日~14日
土物語 秋の酒器肴器 (稲吉オサム 今西公彦 小出尚永 谷穹) - 10月25日~30日
廣川純の土鍋 みのりの器 - 11月1日~10日
松元洋一 埴のうつわ - 11月20日~12月1日
大西雅文 陶展 - 12月4日~15日
身に纏うアート
京都市伏見区上油掛町190
TEL.075-611-7822
営業時間 11:00~19:00
定休日 月曜(祝日は営業、企画展前後不定休)
http://www.sakenoutsuwa.com/index.html