大阪ミナミの人たちから“すみよっさん”の名前で親しまれている住吉大社。
すみよっさんに行ったらぜひ買ってほしいのが、末廣堂の「さつま焼」です。
店頭に掲げられた看板は、俳人・正岡子規の門人だった安江不空の作品だとか。
この看板を見るだけでも、明治初期から住吉大社御用達としてつづく老舗菓子店の風情が伝わってきます。
名物「さつま焼」にサツマイモは使われていなかった!
ご覧のように、すみよっさん名物「さつま焼」は、小ネタ隊の指よりやや大きめのサイズしかありません。
ま、小ネタ隊の指はちっこいですから、普通の大人の指くらいしかありません。
さつま焼は、十勝小豆で作ったこしあんを皮で包み、職人さんが心を込めて一本一本手作りしています。
さっそくですから、一つ口に入れてみましょう。
実は、このさつま焼、サツマイモは一切使われていません。
ほのかな甘みは、表面ツヤツヤの皮に包まれた小豆のこしあんの甘さなのです。
だったら「さつま焼」というネーミングはおかしいんではないの?
すみよっさんは海の神さんとして知られていますが、かつてこのあたりは海が近くて砂地が広がっていました。そのため元禄時代からサツマイモが栽培されていて、ふかし芋の店がたくさんあったそう。
すみよっさんの参拝客は、お土産にふかし芋を買っていたそうな。
しかし、江戸から明治にかけて徐々に交通網が発達してくると、地方から美味しいサツマイモがどんどん大阪に入ってくるようになり、住吉名物のふかし芋もいつしか影を潜めてしまいました。
それに代わって登場したのが、ふかし芋の面影をとどめた「さつま焼」です。
考案者は末廣堂の初代。菓子職人をめざして、駿河屋で修行していた初代の、完全オリジナル作品です。
こしあんの他にサツマイモ餡もあります。
「さつま焼にはサツマイモじゃなきゃやだ!」というこだわりのある方や、こしあんが苦手な方は、こちらをどうぞ。
鳴門金時が使われています。
一個(152円)から購入できます。
末廣堂は明治2年創業。さつま焼は、初代の味を守り続け、当時から今日まで製法は何一つ変わっていません。保存料などは一切使用せず。
ただし日持ちがするように、今では一つずつ密封した袋に入っています。
そのまま冷凍すれば半年でも保存可能ですし、自然解凍すれば元のおいしさが味わえます。
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