小ネタ隊クラスになると、ガイドブックに載っている場所は、メジャーな場所以外、ほとんど行っているのですが、なぜか堺は未知なるエリア。
というわけで行ってまいりました、堺エリア!
本日は、「小ネタ隊、大阪・堺エリアをゆく」をお届けしましょう。
堺といえば、千利休と与謝野晶子でしょ
堺市は、大阪市とは大和川を隔てて隣接しているのに、文化も風習も人種も恐ろしく違います。京阪神三都物語ではなく京阪堺神四都物語といったほうがよさそうな、全く別の異次元都市です。
堺出身の有名人といえば、沢口靖子や堀ちえみが思い浮かびますが、何と言っても二大巨頭は、与謝野晶子と千利休でしょう。目指すは、「さかい利晶の杜」。堺を代表する二人を町おこしに使おうと、堺市が2015年に完成させたミュージアムです。
まずは与謝野晶子像と生家を訪ねる
「さかい利晶の杜」は、南海本線「堺駅」の東側に位置しますが、せっかく来たのだからまずは駅西口のロータリーにある「与謝野晶子像」にご挨拶。1998年に作られこの台座には「ふるさとの潮(しほ)の遠音(とほね)のわが胸にひびくをおぼゆ初夏(はつなつ)の雲」と刻まれています。
訪れたときは、ちょうど外人観光客のおばさんたちが与謝野晶子像をバッグに記念撮影していたので、「こりゃ〜人気あるのね、さすが世界の晶子ちゃん」と思いましたが、その後は誰〜も来ません。それどころか見向きさえしません。だいたいあまり人がいない。
ついでに「与謝野晶子生家跡」も見ておきましょう。
与謝野晶子は堺のお菓子屋さん「駿河屋」の三女として生まれましたが、道路の脇に建つモニュメントは細長〜く、「???」と首を傾げてしまいます。
それもそのはず。これはお店の裏口で、お店自体は現在チンチン電車が走っている道路をまたいで、向こう側の道路までズドーンとあったのだとか。
ちなみにこちらには「海こひし潮の遠鳴りかぞへつゝ少女(をとめ)となりし父母(ちちはは)の家」と刻まれいます。
本日のメイン「さかい利晶の杜」は、お得感いっぱい
銅像も生家跡も、小ネタ隊的にははっきりいって微妙です。
どちらも後付け感があって、堺市の思惑がミエミエです。どちらもタダだからしゃ〜ないのですが、本家本丸「さかい利晶の杜」は、果たして入場料を払う価値があるのか!
「さかい利晶の杜」は、お茶の大先生「千利休」と、明治から昭和初期にかけて活躍した歌人「与謝野晶子」を紹介するミュージアムです。
入館料は300円!
さらに!
JAFやICOCAなどを提示すれば60円引きの240円!
さらに!
わずか数百円プラスで、お抹茶がいただけます。
もちろんお抹茶にはお菓子がついてくるので、これははっきり言って「お・と・く」以外の何者でもありません。
このお値段でこの施設、さらにはこのサービスは、かなり「あり!」です。
千利休のほうは微妙でしたが、与謝野晶子に興味のある人にはお勧めできます。
さらに!
敷地内にはスタバも併設。
さすがの小ネタ隊もびっくらこいたお蕎麦屋さん「ちく満」
ミュージアム裏手には「千利休生家跡」。これ、はっきり言って微妙すぎ。
聞けば、このあたりに千利休の実家があったらしいのですが、あくまでも「このあたり」。生家跡とされている場所かどうかは定かではありません。
「お〜、ここで利休は生まれたのか〜」と思いを馳せないように、あしからず。
後付け感ありありな、利休と晶子ですが、さすがは堺、只者ではありません。
町の至る所に、小ネタ隊もおったまげる大ネタが転がっていました。
その一つがこちらのお店。「さかい利晶の杜」の東側で発見したのですが、どう見てもセメント工場です。しかし看板には「生そば」と書かれています。お蕎麦の製造工場なのでしょうか。
恐る恐る近寄ってみると、良さげ感がプンプンしてきます。
不審そうに中を伺っていると、どこかで見慣れた顔…
もうかれこれ14〜15年、小ネタ隊のお目目を診てもらっている緑内障の権威、大阪・福島アイクリニックの桑山泰明先生でした。
堺出身の先生は、このヘンテコなお蕎麦屋さんに50年近く通っているそう。
「変わったソバなんですが、ときどき無性に食べたくなるんですよ」
桑山先生のお墨付きなら大丈夫でしょう。
ぶっちゃけ、すべてがおったまげ〜です。
予備知識がなかったら「のびまくりやがな〜」とちゃぶ台をひっくり返していたかもしれません。
名前は「ちく満」。堺県人には超メジャーな、せいろ蕎麦オンリーのお店です。
一人前800円と、少々お高いような気もしますが、「さかい利晶の杜」とは真逆のミュージアムです。
この施設に、お蕎麦がついて入場料800円は、蕎麦好きでなくても必見です。
ただし、くれぐれも「蕎麦」の二文字は頭から消して臨んでください。
やはり堺は奥が深い。21代目店主が営む「本家小嶋」の芥子餅に舌鼓
さて、本日のスイーツは、やはり和菓子で。
さきほどの千利休生家跡のボランティアさんにお墨付きをもらった「本家小嶋」へうかがいます。
「さかい利晶の杜」の北側、道路を隔ててすぐのところにありますが、店構えを見てまたまたおったまげ〜。お墨付きをいただいていなかったら、戸を開けるのもためらわれます。
はっきり言ってボロい。
一見さんではかなり勇気がいる店ですが、あらら〜、創業天文元年(1532年)21代目本家小嶋の店主は、はっきり言って「イケメン」です!
看板の芥子餅140円は絶品。ひっきりなしにお客さんが訪れるのも納得です。
堺ちゅうたら、やっぱりザビエルでしょ
「小ネタ隊、大阪・堺をゆく」の〆は、「ザビエル公園」で。
堺といえばザビエル、ザビエルと言えばフランシスコってなくらい、日本史の教科書にも登場する宣教師フランシスコ・ザビエル来航400周年を記念して建てられた碑がある公園です。
だたっ広いどこにでもあるような地域の公園ですが、ここにはザビエルが堺にきた時におもてなしをした豪商の屋敷があったそうな。
ザビエル公園の目の前に、ちょうどチンチン電車(阪堺線)の「花田駅」があったので、それに飛び乗って本日の旅は終了〜。
それにしてもチン電の新車両にはビックリ。まるで、京阪特急プライムシートのようでした。これで210円安すぎでしょ。
小ネタ隊がかつてチン電を借り切って、大宴会をしていた頃とは随分変わりましたね〜。
与謝野晶子生家跡
堺市堺区甲斐町西1丁-1
千利休屋敷跡
堺市堺区宿院町西1丁-17-1
さかい利晶の杜
堺市堺区宿院町西2丁-1-1 TEL.072-260-4386
ちく満 (ちくま)
堺市堺区宿院町西1丁-1-16 TEL.072-232-0093
本家小嶋
堺市堺区大町西1丁-2-21 TEL.072-232-1876
ザビエル公園
堺市堺区櫛屋町西1丁