ケンミンSHOWお好み焼対決大阪代表「今里・八光」物語

2019年正月の特番「秘密のケンミンSHOW 最強お好み焼き」で、大阪代表3軒の一つとして登場した「八光」は、昔ながらの正統派お好み焼き屋さんです。
「八光」と書いて“ハチコウ”と読みます。同じ生野区に「八光」と書いて“ヤコウ”と読むテイクアウト専門の店があるのですが、「よく間違えられる」とのこと。
そう語るのは、八光の店主・横浜徹さん。今回の主人公です。

35年ぶりの再会

なにを隠そう、小ネタ隊は横浜さんと一緒に暮らしていたことがあるのです。
小ネタ隊が社会人1年目のとき、寮の隣に住んでいたのが1年先輩の横浜さんでした。寮は一人部屋ですが、昭和な時代の新人にはプライバシーはなく、それはそれはよく遊んでいただきました。
新人の部屋はキレイですから、横浜さんは小ネタ隊の部屋で寝転びながら酒を飲み、テレビやエロ本を見るのです。ポテチのクズをそこらじゅうにばらまき、小ネタ隊のタバコを勝手に吸い、それが切れると「タバスコ(←横浜流タバコの呼び方)買(こ)うて来てくれ〜」。
新人は逆らえませから、渋々買ってくると1箱をポイと無言で投げてきます。駄賃のつもりなのでしょう。

会社が歌舞伎町の外れにあったため、まともに帰ったことは1日もありません。延々、二日酔いです。当然、午前中は仕事になりませんから、営業車を公園の横に停めて爆睡。オススメのお昼寝スポットや空日報の書き方など、それはそれは丁寧に指導していただきました。

わずか1年10ヶ月の付き合いでしたが、活字にできない“ピッー!”な話はナンボでもあり、濃〜いお付き合いをさせていただきました。
しかしそれ以降、横浜さんとの付き合いは全くありません。

それがそれが、なんと35年ぶりに再開。知人のFacebookの投稿により、先のお好み焼き屋対決で横浜さんの生存を知ったのです。

ビールが旨い!

前振りが長くなりましたが、テレビにも登場するほどの有名お好みや屋「八光」を紹介いたしましょう。

隊長
とりあえずビール!


横浜さんに「ビール持ってこんかい!」と言うのは、初めての経験で恐縮してしまいます。すんません。

八光は近鉄「今里駅」から今里新地を抜けたところにあります。
平日18時〜、日曜のみ12時〜という営業時間が示すように、呑兵衛をメイン客にしたお好み焼屋さんです。

メニューにはビールに合いそうな焼き物がズラリと並びます。

おすすめの「げそ塩焼き」(750円)と「砂ずりバター炒め」(750円)を注文。どちらもキャベツがたっぷり入っています。

ビールを持ってきてもらうのも初めてなら、砂ずりを焼いてもらうのも初めての経験。横浜さんにこんな特技があるなんて全く知りませんでした。
だいたい、顔はこんなん(↓)

かなりの強面です。続いて、ゲソも焼いてもらいます。

砂ずりとゲソが焼ける間、語り続けるオヤジ(↓)

35年分の空白を取り戻すかのようにしゃべるしゃべる。
写真では、「お好み焼き」論を熱く語っているかのように見えますが、そんな高尚な話はしていません。
「ケンミンSHOW」の裏話やサラリーマン時代の武勇伝など、“ピッー”な内容が多すぎてとても紹介できません…

ケンミンSHOWにも登場した「ぶた玉」


そろそろ「ケンミンSHOW」にも登場した名物のぶた玉(700円)をいただくことにしましょう。

もちろん、お好み焼きも焼いてくれます。

まずは豚肉を焼きます。「THIS IS お好み焼」な容器に、ショウガたっぷりがいいですね〜。

豚肉がよく焼けたら、山芋入りの生地を投入。

形を整えます。

片面が焼き上がるまで、さらに語ります。

ええ感じに焼けてきました。

片面が焼けたらコテでひっくり返すわけですが、横浜さんがお好み焼きに手を触れたのは、このときだけ。
ビール片手に、アホな話を語り続けながら、焼け具合はしっかりチェックしているなんて、さすがはお好み焼いて20年のキャリアを誇るだけのことはあります。

「八光」の発祥はおよそ60年前

一見、普通のお好み焼き屋さんに見える「八光」ですが、そのルーツはおよそ60年前まで遡ります。
横浜さんのおばあさんが、近畿大学の近くでお好み焼き屋さんを始めたのがきっかけです。その後、秘伝の製法を受け継いだ子どもたちが京都や大阪各地で「八光」を開業。その一つが、横浜さんのお父さんが始めた今里の「八光」でした。今から40年近く前のことです。
お父さん他界のために、横浜さんが店を引き継いだのは約20年前。八光秘伝の製法は、孫にまで確実に受け継がれたのです。

物心ついたときからお好み焼き屋で培ってきた技術はダテではありません。
焼くのはスタッフに任せることはあっても、お好み焼の粉作りは誰にも任せません。

おばあさん直伝の粉を10人前ずつ手作業で作ります。

そろそろ焼き上がったようです。さっそくいただきましょうか。

もちろん、ソースも塗ってもらいます。というか、触ったらあきません。

マヨネーズをかけていただきます。八光最高の見せ場ですね〜。
いまどきのお好み焼き屋さんは、インスタ映えに走りそうですが、60年前のスタイルを受け継ぐ「八光」では奇をてらったことは何もしません。

いい感じに焼き上がりました。旨そうではないですか。

やっとここで、触ってもいいというお許しが出たので、かつお粉と青のりをパラパラっと。

山芋入りなのでフワッとした食感。ソースが前面に主張することなく、いくらでも食べれそう。〆のラーメンならぬ、〆のお好み焼きです。
強面な男が作るとっても優しい味にビックリしてしまいます。

こだわりのコテ

お好み焼きを食べるときのコテは特注品です。「女性受けを狙った」オリジナル品だそうですが、丸くなった角がとても食べやすいです。
大きな口を開けてハフハフする必要がないため、上品に食べれます。

横浜さんは、昔から態度エルエルのように見えて、細かい気遣いのできる人でした。「一箱やるからタバコを買ってきて」とは言いません。「タバコ買ってこい!」と命令しておいて、一箱をさりげなくくれるタイプです。

「八光」には独り身のお年寄りもたくさん訪れます。「段差気をつけてや〜」と帰り際に手を差し伸べたり、「ワシ金払ろたかな」を何度も繰り返すお年寄りに根気よく付き合ったり…この繊細さが長年愛され続ける秘密でもあるのでしょう。

居心地が良すぎて、つい飲み過ぎてしまいそうなので、そろそろ帰るとしましょうか。

隊員
焼きそばも美味しそう〜
隊長
えっ、まだ食べるの!
隊員
ここのお好み焼きだったらいくらでも食べれそう

確かに、1週間に2〜3度は食べられそうなお好み焼きです。
ミックス焼きそば(950円)追加で!

こちらもソースが主張することのない焼きそば。隠し味の昆布出汁が効いています。

隊長
ついでにビール!

先輩をアゴで使うのは大変気持ちがヨロシ。

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