今回の「頑張っている人応援企画」は、大阪生まれの大阪育ち、若干23歳のMaaさんです。誰もが経験する「自分探し」まっただ中にいるカメラ好きの女性です。
「頑張っている人応援企画」とは、文字通り「その人の頑張りにエールを送り、勇気と元気を提供しよう」という企画です。毎日の主婦業を頑張っている、受験勉強を頑張っている、などどんなことでもOK。自薦他薦は問いません。
実はMaaさんは、ちょうど一年前に「頑張っている人応援企画」で登場してもらったKuMiさんから推薦されました。しかし当時は、今一歩、方向性が定まらなかったのでしょう。取材を申し込むと断念されました。
今回はMaaさん自らの申し出です。
「何を応援してほしいですか?」と尋ねると、「新しい道を踏み出す勇気がほしい」と。
ようやく自分の進むべき道が見えはじめたようです。
人を笑顔にしたいと選んだ看護の道
Maaさんは、現在23歳。金融関係の会社に勤めるOLさんです。
高校卒業後、看護専門学校に進学するも途中で断念。
人々に笑顔を提供できる仕事に就きたいと志望した看護の世界でしたが、現実はそんなに甘いものではありませんでした。
常に死と向き合わなければいけない、精神的にも肉体的にもきつい仕事です。
憧れだけで選んだ道は、実習中に「無理!」と決断。中退することにしました。
SNSを通じて写真好きの人たちとの交流がはじまる
カメラに興味を持ちだしたのはごく最近のことです。
父親が娘の二十歳の記念撮影にカメラを購入。以降、ほとんど使われることなく本棚に眠っていたカメラを手にとり、スナップを撮り出したことに始まります。
意外に楽しく、もう少し極めてみようと思います。
SNSを通して、前述のKuMiさんをはじめ徐々にカメラ仲間が増えていきます。
コスプレイヤーや写真好きの人たちと交流するなかで、「私もカメラで人に幸せを提供できるかもしれない」と思うようになります。
看護とカメラの違いはあれど、Maaさんの頭の中には「人の笑顔が見たい」という気持ちがいつもあったのです。
日に日にネガティブ思考に
ポートレートに興味を持ちだしたのは、2020年7月のこと。父から譲り受けた入門用のカメラから本格的な一眼レフに買い換え、いざ女流写真家へ。
「頑張っている人応援シリーズ」に推薦があったのはちょうどこの頃になります。
しかし行動よりも思考が先行するMaaさんは、「自分の作風がまだ見いだせていない」と、KuMiさんが作ってくれたせっかくの機会を断ってしまいます。
今にして思えば、「たかがキャリア1年くらいで何を言っているんでしょうね(笑)」と。
なかなか自己の束縛から抜け出せないまま、考えすらまとまらず日に日にネガティブ思考に陥り、しばらくはほとんどカメラを触ることもできない状態になりました。
白い紙に書き付けることで考えがまとまりだした
そんな状態から抜け出したのが、2021年7月。
白いノートに、自分の考えていることや今の気持ち、食べたいものや行きたいこと、やりたいことなどを思いつくままに書き殴っていく毎日。
「紙ってすごいですよね」
紙に書くことを続けたことで、ようやく自分の方向性が見えてきたように思えました。
8月初旬、勇気を振り絞って、憧れの写真家・高橋伸哉氏にDMを送り、被写体を申し入れます。
撮る人ではなく、撮られる側の気持ちを知りたくて被写体を申し込んだのでした。
個性的な美しさを引き出せる女流写真家になりたい
以降、自分の好きな写真を撮るカメラマン数人に声をかけ、被写体としての自信がついたことで、ようやくはっきりとした方向性が見いだせてきました。
これまでは遊びの延長上で撮ったり撮られたりしていたため漠然としていた自分の写真が、被写体活動を続けることで意思を持った写真に変化してきたのです。
「最近、ようやく自分のことが好きになってきたみたい」というMaaさん。
今後は、被写体とカメラマンの両方のキャリアを積み上げながら、その人の個性的な美しさを引き出せる女流写真家になりたいと豊富を語ってくれました。
「私が撮影することによって、その人が幸せな気分になったら、私も幸せな気分になれます。そんな写真家を目指したいですね」
フォトセラピストMaaさんの一歩が始まりました。
インスタグラム @ma_camera_m