大阪を代表するお寺「四天王寺さん」の参道には、なかなか渋い店がたくさんあります。
極楽浄土の入口と言われる西門近くにある「河藤(かわとう)」もその一つ。
創業100年以上の歴史を持つ和菓子屋さんです。
四天王寺で3代続く和菓子店
河藤の始まりは江戸時代にまで遡ります。河内屋藤兵衛なる人物が、奈良で煙草と綿を扱う店を営んだことに始まります。
そう、河藤の屋号は河内屋藤兵衛氏の名前に由来するのですね。
和菓子屋を営みようになったのは、大正時代の初めに現在の場所に引っ越してから。
お菓子屋としての初代である川口常治郎氏が手がける干菓子は大評判となり、彼岸の中日には行列ができるほどの人気店になります。
色鮮やかな干菓子はまるで芸術品
趣のある店構えもさることながら、一歩店内に入ると「これはすごい!」と誰もが絶賛する干菓子が目に飛び込んできます。
種類の多さは大阪随一、いや全国トップクラスではないでしょうか。
客が二人も入ればいっぱいの小さな店ですが、ショーケースに並べられた芸術品のような干菓子を眺めていると、時間を忘れそうです。
どれを選んでいいか迷いに迷い、仕方なく女将さんに聞くと、「うちは割氷がメインですから」と、ショーケースの上に置かれたかち割り氷のようなものを勧めていただきました。
色鮮やかなお干菓子に比べて、超〜地味。
見た目はほぼほぼ氷です。
全菓博の最高賞を受賞した「割氷」
「おひとつどうぞ」と、差し出された割氷を口にほおりこみ、レロレロとしていると、「噛んでくださいね」と女将さん。
一見、氷のように固そうですが、噛んでみると柔らかくゼリーのよう。
表面のシャリシャリした食感がまた粋です。
店の壁面には和菓子のオリンピックと言われる全国菓子大博覧会(全菓博)の最高賞「名誉総裁賞」の額が掲げてあります。
河藤の「割氷」は、第21回全菓博の最高賞を受賞している逸品なのであります。
ますます旨さが増してきます。小ネタ隊はブランドに弱いのであります!
材料は、寒天と砂糖のみ。お値段、1袋400円ほど。
3代目主人藤太郎氏の奥さまが丁寧に接客してくれます。
シンプルなゆえにまた食べたくなる味。
四天王寺に行かれた時は、ぜひお立ち寄りくだされ。
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