ヨーロッパ軒豊島分店|福井名物ソースカツ丼はソース漬け放題

実は小ネタ隊は福井県に縁もゆかりも大ありなのです。
自称東京生まれと称していますが、実は福井市内の病院で生まれたエセ都会人だったのです!
ま、こんなカミングアウトなんて気合い入れて言うほどのこともないのですが…
さてさて福井の名物といえば何だかご存じしょうか。

越前かに!

そんな大層な食べ物はお金持ちの観光客しか食べません。
かつては「サバのへしこ」や「けんけら」など、裏日本に相応しく超地味な食べ物が名物でしたが、今では時代が変わり「おろしそば」と「ソースカツ丼」が主流になっています。

ま、いずれにしても地味なことに変わりはありません。

そこで、今回は福井名物「ソースカツ丼」について紹介しましょう。

東京生まれ福井育ちのソースカツ丼

ソースカツ丼を開発したのは高畠増太郎さんという人物だと言われています。
ドイツで料理修業を終えた高畠さんが、大正2(1913)年にに東京で開催された料理発表会でソースカツ丼を披露。東京・早稲田正門前にあった自身の店で売りに出していたのだそう。

屋号はヨーロッパで修行したことに由来して「ヨーロッパ軒」と名付けられました。

そうなんです。ソースカツ丼の代名詞とも言る「ヨーロッパ軒」の第1号店は、実は東京の新宿にあったのです。大正12(1923)年の関東大震災により倒壊してしまったため、郷里の福井へ戻り、福井市の順化町に福井ヨーロッパ軒を開店させます。

まさに奇遇。小ネタ隊とは縁もゆかりも大あり。
東京に本籍を置く小ネタ隊が生まれたのは、この福井市順化町だったのであります!

福井県内に19店舗を構えるヨーロッパ軒一族とは!

というわけで、妙に親近感を覚えるヨーロッパ軒ですが、高畠さんのエラいところはソースカツ丼を独り占めせず、優秀な料理人たちに暖簾分けをしたこと。結果、暖簾分け1号店の敦賀分店をはじめ、現在では福井市11店、敦賀市5店、春江、丸岡、神明の計19店でグループを構成し、福井に一大ソースカツ丼文化を広めるに至っています。

ところでヨーロッパ軒には総本店やら本店やら支店、分店などいろいろな呼び方がありますが、この違いは何か分かりますか。
総本店は文字通り、東京から福井に移転してきた高畠さんのお店。敦賀ヨーロッパ軒本店は暖簾分け第1号店、●●支店や●店はこれら2つの店の支店。そして●●分店はその他の暖簾分け店なのです。
ですから、分店はそれぞれに特徴があります。

JR福井駅から最も近いヨーロッパ軒豊島分店へ

さて数あるヨーロッパ軒の中から小ネタ隊が選んだのは、JR福井駅から最も近い「ヨーロッパ軒 豊島分店」です。元市営球場だった東公園の横にあります。周りには店がなくポツンと1軒あるだけ。

乳飲み子を背負った奥さんが忙しく働いています。
最近ではあまりに見なくなった光景だけに、妙に新鮮です。

注文するのは、もちろんソースカツ丼です。
が、メニューにはソースカツ丼がありません。大阪で「しゃぶしゃぶ」といえば牛、「きつね」といえばうどんというくらい、福井で「カツ丼」といえばソースカツ丼なのです。
卵でとじたカツ丼ではありませんので、ご注意ください。

というわけで、ソースカツ丼にサラダと味噌汁がついたカツ丼セット1080円を注文。
待つこと数分。やっぱり本場のソースカツ丼。福井市役所の食堂で食べたパチモンのソースカツ丼とは大違いです。薄いカツとソースの香りが食欲をそそります。

醤油味で食べたい人用なのかと思いきや、やはりソース

が、よくよく見ると、カツ丼にはソースがかかっているのに、ソースの入った小皿が。
さらにテーブルの上にも瓶のソースがあるではありませんか。
小ネタ隊は不思議で不思議でなりませんが、乳飲み子の背負いながらせっせと注文品を運ぶ母ちゃんに聞くのも気の毒です。

「もしかしてこれはソースのように見えて、実はマスタードなのか」と舐めてみますが、やっぱりソース。ウスターソースです。

薄いカツにサクサクのコロモ。味は絶品なのですが、ソースが気になって気になって食事に集中できません。

聞けば、やはりソースでした。もう少し濃い味の方がよければ、ソースをかけたり、つけたりして食べるのだそうな。どんだけソース好きやねん!とツッコミを入れたくなりますが、ヨーロッパ軒のソースカツ丼は2度漬け、3度漬けもOKな、太っ腹なお店なのでありました。

隊長
2度漬け禁止の串カツ屋とは大違い〜〜〜
50席ほどの店内には座敷もあります

豊島分店は、町の洋食屋さんなので、ソースカツ丼以外にもハンバーグステーキや子供ランチなどもあります。お近くに寄られた時はぜひ。

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