11月13日、大阪府は大阪府立大学と大阪市立大学に2020年度から入学する学生について、大阪に住む「年収590万円未満の世帯」を対象に、授業料などを無償化すると発表。国が来年度から行う年収380万円未満の低所得世帯の学費減免制度に、府独自の補助を上乗せします。なお、すでに在籍している学生・院生は対象外となります。
大学無償化制度の対象となるのは、「入学する3年以上前から大阪府内に住んでいる」人で、年収が590万円未満の世帯。年収が910万円未満の世帯についても子どもの人数に応じて支援が行われます。
大阪府の大学無償化制度
年収 | 支援額 |
590万円未満 | 入学金・授業料無償 |
590万円以上〜800万円未満 | 子ども1人→1/3支援 子ども2人→2/3支援 子ども3人以上→無償 |
800万円以上〜910万円未満 | 子ども1人→支援なし 子ども2人→1/3支援 子ども3人以上→2/3支援 |
両大学の授業料は、ほとんどの国立大学と同様に、いずれも年間53万5800円。入学金は「地元出身者優遇制度」により、大阪府在住者であれば大阪府立大学は28万2千円(府外38万2千円)、大阪市内在住者であれば大阪市立大学は22万2千円(市外34万2千円)となります。今回の制度により最大で81万7800円が無償化されることになります。
2022年4月、日本最大の公立大学が誕生
京大・阪大・神大の国立トップ3と、私立のトップ4(関関同立)の間に挟まれ、実績・難易度の割にはいま一歩目立たなかった大阪府立大学と大阪市立大学の両大学ですが、ここに来て俄に注目を集めています。
それが両大学の統合によって、2022年に誕生する「新大学」です。
名前はまだありませんが、学生数約1万6千人を擁する日本最大の公立大学となる予定です。国公立あわせても、大阪大学、東京大学に次ぐ3番目。しかも大阪城公園に隣接して、10万8500㎡の広大な新キャンパスも建設される予定。さらに年収590万円未満の大阪府民なら、学費はタダ!専門学校に毛の生えたような大学とは違い、実績・スケールは超ド級です。2022年入試の超目玉となることは間違いありません。
これに驚異を感じているのが国立の神戸大学です。
かろうじて関西トップ3の一角を担っている神戸大学ですが、全国的な知名度は低く、イメージ・実績的にも京大や阪大にはかなり水をあけられています。規模、学費面では新大学の方が上。学部構成はほぼ同等ですが、新大学には関西唯一の獣医師養成課程を持つ獣医師学部があります。
人気度面からは新大学に抜かれるのは時間の問題。関西トップ3から陥落する可能性は大です。
新大学の学部構成とキャンパス
大阪府立大学と大阪市立大学の合併によって誕生する新大学は「1学域と11学部」に再編される予定です。
学域・学部 | キャンパス |
現代システム科学域 | 中百舌鳥キャンパス |
文学部 | 森ノ宮新キャンパス |
法学部 | 杉本キャンパス |
経済学部 | 杉本キャンパス |
商学部 | 杉本キャンパス |
理学部 | 杉本キャンパス |
工学部 | 中百舌鳥キャンパス |
農学部 | 中百舌鳥キャンパス |
獣医学部 | りんくうキャンパス |
医学部 | 阿倍野キャンパス |
看護学部 | 阿倍野キャンパス |
生活科学部 | 森ノ宮新キャンパス |
以上、本日の小ネタでした。