大阪・野田阪神のD3 HOTELで、12月〜2月の間、1会期につき1作家が作品の展示を行うワンフロア貸し切り宿泊型のアート鑑賞プログラム「泊まれる個展」が開催されている。
日本の観光・ホテル業界は、新型コロナウィルス感染症(COVID-19)の流行を受け、インバウンド需要の低下、消失により今もなお厳しい状況が続いている。一時は緊急事態宣言が解除されたものの、現在はオミクロン株への変異が発表されるなどまだまだ油断がならない状況下で、常に変わりゆく市場に対し各旅行業者・宿泊施設は更なる感染症対策の強化と新なたな価値創造を求められている。
そんな中、大阪野田のプライベートホテルD3 HOTELで12月より、宿泊型アート鑑賞プログラム「泊まれる個展」を開催。
「泊まれる個展」は、3名の現代アーティストが12月~2月の間3会期に分けて、1会期につき1人の作家がD3 HOTELで個展を開催し、宿泊者は2Fまたは3Fのいずれか1フロアを貸し切り、展示作品に囲まれながら宿泊ができるというもの。プライベートな空間で安心してアートに触れることができ、感染症対策と文化芸術を両立させた新たな試みとなっている。
「泊まれる個展」開催概要
第一会期 | 2021年12月17日〜2022年1月5日 | 亜鶴(Azu) |
第二会期 | 2022年1月7日〜1月23日 | 高山夏希 |
第三会期 | 2月11日〜2月27日 | 河本蓮大朗 |
第一弾はタトゥーアーティストとしても活躍し、ルD3 HOTELのウォールペイントも手掛ける亜鶴(Azu)氏
亜鶴(Azu)は1991年兵庫県生まれ。2012年大阪美術専門学校美術工芸学科絵画専攻卒業。その後、難波にてアトリエを構え、実在しない人のポートレイトを主として描く。タトゥーアーティストとしても活動する亜鶴は「皮膚」を再提示することで「個人」を承認している。逆説的に「個人」を問う事は「身体/皮膚」を考えることであり、個人の存在にはつねに身体が付帯する。そして身体とは表情であり、また表情とは皮膚であると定義づけ制作を行っている。(「美術手帖」より引用 )
第二弾は多層な色彩の重なり合いによって、平面作品から立体作品、またブランドとのコラボ制作を手がける高山夏希氏
2014年 東京造形大学 造形学部美術学科 絵画専攻 卒業。2016年 東京造形大学大学院 造形研究科 美術専攻領域 修了。主な個展に、「Tangled Colors」 (西武渋谷店/ 東京/ 2018)、「Mnēmosynē」 (Brooks Brothers 青山本店/ 東京/ 2019)、「VOCA展2020 現代美術の野望-新しい平面の作家たち- 」 (上野の森美術館/ 東京/ 2019)、「群馬青年ビエンナーレ2019」( 群馬県立近代美術館/ 群馬/ 2019)にて発表。2014年に「東京造形大学
修了制作展」ZOKEI賞を受賞、2016年に「アートアワードトーキョー丸の内2016」後藤繁雄賞。
第三弾はアーティスト・染織家として活躍する河本蓮大朗氏
河本蓮大朗は1991年神奈川県生まれ。2015年横浜美術大学工芸領域テキスタイルデザインコース卒業、17年同大学彫刻コース研究生修了。織物の制作を中心に、染織独自の質感や色彩と、素材が持つ背景やストーリーを重要な要素とし、制作を続けている。 (「美術手帖」より引用)