韓国の家庭で行われる行事の一つにチェサというものがあります。チェサは日本の法事に似ており、命日や盆、正月に行われます。
「親を大切にする」という儒教の教えに則り、大量の料理を供え、先祖の霊を招き、おもてなしをし、再び天に帰っていただくという大切な儀式です。正式には毎年5世代前まで一人ずつ、チェサを行うことになっていますが、これでは命日だけでも10回になってしまうため、最近では回数を減らす家庭がほどんどです。
命日の午前零時に儀式が始まる
基本的にすべての子孫が本家に集まり、陰暦の命日の始まりである午前零時にスタート。ナムルやチヂミ、肉や魚、菓子、果物、酒などを供え、祭壇に向かって、クンジョルといわれる、最も丁寧なお辞儀をします。
チェサのときに供える料理(チェサウムシク)は、お嫁さんたちが一日がかりで作ります。内容は各家庭によってさまざまですが、ニンニクや唐辛子など刺激が強い食材は、ご先祖様が逃げてしまうとの言い伝えがあり、 チェサウムシクには使用しません。
料理の並べ方にも決まりがあり、祭壇に向かって手前から、果物やお菓子、ナムル、魚・肉・卵・チヂミ、そして一番奥にご飯と汁物を並べます。魚肉類は、「魚東肉西」のルールに従い、右に魚、左に肉を並べます。
最大の楽しみは、チェサ料理で宴会。ただし女性は大変!
儀式が終わると、供えた料理を皆で食べ、宴会が始まりますが、飲んで食べて楽しむのは男子のみ。お嫁さんたちは、儀式が終わっても給仕や片付けに追われます。あまりにも女性の負担が大きいので、最近ではチェサ料理専門の宅配業者を利用する家庭も出てきました。
それでは、今回、取材に協力頂いた当家の次の次の主にご登場いただきましょう。
頑張ってください!あ、それと、次のチェサでは、一人でトイレに行けるようになってくださいね。