写真の枠を飛び越えアーティストとして生きるMaeshinさんを直撃インタビュー!


Maeshinこと前田慎司さん、37歳。大阪生まれのアーティスト、写真作家です。
古典絵画の「肖像画」を切り口に、写真という枠を超えた創作活動を展開しています。
大阪・道頓堀のギャラリー香で9月23日(木)から28日(火)まで開催される「Osaka Street 9月場所ポートレート展」の出展を皮切りに、10月は西宮市 さくら夙川駅最寄りのカフェギャラリーWORLD TIMESでの個展[10月2日(土)~10月10日(日)]、グランフロント大阪での国際アートフェア UNKNOWN ASIAに出展。さらに12月は東京渋谷での個展開催と次々に作品の発表を行うMaeshinさん。
個展・出展の準備に追われる中、阿倍野のスタジオでインタビューさせていただきました。

写真の可能性が感じられる作品


Maeshinさんの作品の特徴は、独自のライティング技法による奥行感と静寂感です。最初に、金色の木製額に収められた作品を見たとき、かつて大阪市立美術館で見たフェルメール展を思い出しました。
古典絵画の「肖像画」を思わせるMaeshinさんの作品には、新たな写真の可能性が感じられました。

Maeshinさんが創作活動に取り組み出したのは2018年、実はごく最近のことです。
若い頃は、ミュージシャンを目指して海外を放浪していました。現地で知り合ったミュージシャン仲間のライブセッションにシットインしたり作った曲を提供したりしながら日銭を稼ぐというスタイルで音楽活動を開始。観光ビザが切れると日本に帰ってきてお金が貯まったら、また海外という繰り返し。
しかしリーマンショックを機に日本に腰を落ち着けることになります。

カメラマンとしてのスタートが始まります。

ハローワークから始まる修業時代


日本では自分のやりたい音楽の需要が少ないこと、その間口もとても狭いことを悟ったMaeshin青年は、糸が切れたようにサクっと音楽に見切りをつけ暫くバイトも仕事もせずにフラフラ遊び回って過ごします。
何かワクワクするような、楽しそうなものはないものか、音楽の次にやりたいことを探していたMaeshin青年はとりあえずハローワークに飛び込みます。
そこで見つけたのが、ブライダルカメラマンのスタジオワークの仕事でした。
興味はあったものの、写真が特別好きというワケでもなく、絶対に写真じゃないとダメというワケでもない。ただ単純に「頑張れば数年で独立して自由に生きて行けそうだな」という理由でした。

カメラの専門知識やスキルもないままに、親方の元に弟子入りして2日目からいきなりお客さん相手の撮影を命ぜられます。当然のことながら、クレームを浴びることも少なくありませんでした。「もちろんお客さんたちには申し訳ない気持ちはありますが、たくさんの失敗のおかげで成長できたのでとても感謝しています」と言います。

ブライダルをメインに、成人式、七五三など、親方が受注していた年間5000件以上の撮影案件を先輩と3人でひたすらこなし、実践で技術を磨いていきます。
「ざっくり一日平均7~8件、朝から晩までトイレも食事も行く暇なくとにかく撮影していました。カメラのシャッターユニットが取れたこともありますよ(笑)」

結局、丁稚奉公は3年と10ヶ月続きました。

スタジオ設立とともに本格的な創作活動を開始

暖簾分けしてもらったクライアントの仕事をベースに、しばらくはフリーのブライダルカメラマンを続けます。ある時、外国人のブライダル写真を撮る機会があり、積極的に外国人を撮影していく中で、海外の写真に興味を持ち始め、ここから創作活動の意欲が湧き始めます。

2019年4月、大阪市阿倍野区に格好の物件を発見。撮影スタジオに改造し、本格的な創作活動に取り組み始めます。
同年9月、初めての個展を西宮の「WORLD TIMES」で開催。以降、毎年秋に同じギャラリーで個展を開催し、今秋で3回目になります。

フェルメールの「青いターバンの少女」が写真と実物とでは全く違うように、Maeshinさんの作品も実物はスマホやパソコンで見るのとは全く違います。
写真の枠を超えたアート作品を、直に見られる絶好のチャンスです。

今秋の予定は下記のようになっています。

2021年のスケジュール(予定)
「Osaka Street 9月場所ポートレート展」出展
9月23日(木・祝)~28日(火)
大阪市中央区道頓堀1-10ー7
ギャラリー香

個展「Touch a chord」
10月2日(土)~10(日)
兵庫県 西宮市神楽町8-18 1F
WORLD TIMES

「UNKNOWN ASIA 2021」出展
10月16日(土)・17日(日)
大阪市北区大深町3-1 グランフロント大阪 北館 B2F
ナレッジキャピタル コングレコンベンションセンター

個展「Touch a chord ~Arrival~」
12月20日(月)~26日(日)
東京都渋谷区渋谷2-14-13 岡崎ビルB1
Gallery Miru
https://www.gallery-miru.com/

マンツーマン指導の「Maeshin 写真塾」


修業時代に基礎を叩き込まれた経験は着実に根を広げ、特に膨大な撮影件数で得られたライティングのノウハウに関しては全国各地のカメラマンからセミナーや講座の依頼が舞い込むようになります。
しかし「いくら講座を開催しても、いくら受講してもらっても、単発ではなかなか上達しない」と思うようになります。

「人それぞれ感性は違いますし、やりたいことも表現したいこともそれぞれ違う。多様性を重んじる今の時代、自由に楽しみながらやるのはとてもいいことだと僕は思います。しかし感性を思い通りに表現するためには、やはり技術が必要だと感じています」

そこで一人ひとりに応じたマンツーマンの「Maeshin 写真塾」を開催することに。

「修業時代に学んだノウハウや世界を旅する中で感じた感覚を、分かりやすく噛み砕いて伝えていけたらいいな、と思っています」

料金は、120分×2回/月で20,000円。場所は、大阪・阿倍野区のMaeshin自宅併設のスタジオで行われます。
現役のカメラマン、これから本格的にカメラマンを目指したい人、伸び悩みを感じている人などにお勧めのマンツーマン講座です。

詳細は下記サイトをご覧ください。
https://maeshin.stores.jp/items/607f325dc9827a5217ff5649

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