初めて「ビールが旨い!」と思ったころは、キリンが全盛期でした。ホップの効いた独特の苦みが「俺も大人だな〜」と実感させてくれました。酒屋がおまけにくれる朝日のコップに、キリンの瓶ビールを注ぐ。コッコッコとなる音が快感でした。
その重さから瓶ビールが敬遠されはじめ、缶ビールが主流になったころに登場したのがアサヒスーパードライです。苦みを抑えてキレを追究。落合信彦のCMが実に渋く、ビール片手に同氏の著作を一気読みしました。
バブル経済が崩壊するとともに、家飲みビールは発泡酒、第3のビールとどんどんコストダウン。旨さよりも値段が購入の決め手になります。ことあるごとにビール好きをアピールし、中元や歳暮にはドライやモルツを姑息にゲットしていました。しかしこんなものではわが家の消費量は追いつきません。エビスがなくなった後に飲む金麦の頼りないこと。
キレがあるのに、コクもある
イオンのトップバリュービール「バーリアル」が発売されたのは2010年6月。店頭にど〜んと積まれていたのは知っていましたが、その安さゆえ長らく手にすることはありませんでした。安すぎます。コーラよりも安いビールが旨いはずがない!と勝手に決めつけていました。
しかし、そんな悠長なことも言ってられなくなり、おそるおそる購入するも、「えっ、なにこれ!旨いやん!もしかしてスーパードライよりエエかも」。キレがあるのに、コクもある。この矛盾を解決した美事な味です。
ホップの配合を変更することで、従来品よりも泡がしっかり立ち、長持ちする仕様にリニューアルしたとか。ビール系飲料系のうまみを逃さないためのふたの役割を果たす泡を改良することで、”すっきりとしたのどごし”と“しっかりしたコク”を実現。350ml 88円でこの旨さは、はっきり言って「いいね!」です。